妙高高原温泉郷 〜「温泉郷」での湯めぐりのしかた〜



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「温泉郷」の魅力


「温泉郷」とは温泉地が複数か所集まった地域のことです。

新潟県「妙高高原温泉郷」、宮城県「鳴子温泉郷」、神奈川県「箱根温泉郷」、岐阜県「奥飛騨温泉郷」、大分県「別府温泉郷」などがあります。

「温泉郷」は、色々な環境や色々な泉質の温泉が楽しめるので、湯めぐりに最適です。

こんな要領で湯めぐりをしてみましょう。

温泉には色々な特徴があるので、その泉質に合わせた「湯めぐり」のしかたについて考えてみます。

★【弱い泉質から始めて、強い泉質へと移っていく】

急に刺激の強い泉質の温泉に入ると、その刺激に負けてしまうことがあります。
これでは、温泉に対して苦手意識が出てくることがあります。特に、慢性皮膚病やアトピー性皮膚炎の場合は、「慢性皮膚病」という適応症がある温泉であっても、強い刺激に肌が負け、悪化する可能性もないとは言えません。

そこで、肌に優しい温泉から初めて、徐々に刺激が強い「皮膚乾燥症」「アトピー性皮膚炎」(「慢性皮膚病」)などの適応症がある温泉へと挑戦していきましょう。

特にアトピー性皮膚炎は、心がリラックスできる自然豊かな環境がよいので、泉質にのみ頼らず、温泉地という環境をうまく利用しましょう。

例)「単純温泉」→「塩化物泉」「硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」→「硫黄泉」「含よう素泉」→「酸性泉」


★【酸性泉など刺激の強い温泉に入る直前に“美人の湯”に入らない】

「美人の湯」とは肌の角質をとる泉質です。美人の湯に入って肌の角質がとれた直後に酸性泉などの刺激の強い温泉に入ると、その刺激に負けることがあります。

「(弱)アルカリ性単純温泉」「炭酸水素塩泉」など特に肌の角質をとる効果が高い温泉に入った直後は、酸性泉などの刺激の強い温泉に入るのは避けましょう。

酸性泉の温泉に入る前の温泉を選ぶなら、肌をコーティングする塩化物泉などがおすすめです。


★【刺激の強い温泉に入った後は、やさしい温泉で仕上げを】

「酸性泉」「硫黄泉(硫化水素泉)」は刺激が強い温泉で、肌に温泉成分が付着したままにしておくと、体がかゆくなったり、湯ただれを起こしたりすることがあります。
そこで、刺激の強い温泉の後は、刺激の弱い温泉、もしくは、自分の肌が刺激に負けない程度の温泉で仕上げをしましょう(仕上湯)

例)「硫黄泉(硫化水素泉)」「酸性泉」 → 「単純温泉」「塩化物泉」「硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」

「酸性泉」 → 「(弱)アルカリ性単純温泉」


★【美肌の湯の後は、仕上げに塩化物泉】

美人泉質(美肌泉質)は、肌の角質をとってくれる分、肌からの水分の発散が盛んになり乾燥肌になりやすいのです。

そこで、美人泉質の温泉に隣接して塩化物泉の温泉がある場合は、塩化物泉で仕上げをしましょう。

塩化物泉は塩の成分が皮膚の表面を覆うパックのようなはたらきをしてくれるので、肌からの水分発散を抑制し、乾燥肌を防ぎやすくしてくれます。

一方、美人泉質から上がった直後より肌の水分は失われていくので、10分以内に塩化物泉に入れるような環境になければ、美人泉質に入った後、保湿剤を塗ってから塩化物泉の温泉へと移動することをおすすめします。

例)「アルカリ性単純温泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」 → 「塩化物泉」


※「二酸化炭素泉」「含鉄泉」「放射能泉」「含よう素泉」は非常に稀少な温泉ですので、現実的に考えて湯めぐりの例から外しておきました。
 いずれも稀少な泉質だけに、出会ったら、じっくり味わっていただきたい温泉です。


「妙高高原温泉郷」での湯めぐりの例


温泉ソムリエ発祥の地新潟県「妙高高原温泉郷」の例で、症状別の湯めぐりの例をご紹介いたします。

各温泉地の特徴は下のコーナーに掲げてあります。

●生活習慣病(高血圧、動脈硬化、高血糖 など)の改善

妙高温泉 → 赤倉温泉 → 関温泉 → 燕温泉

●慢性婦人病(女性に見られがちな症状)の改善

杉野沢温泉 → 関温泉 → 燕温泉 → 赤倉温泉

●皮膚病改善

杉野沢温泉 → 新赤倉温泉 → 関温泉 → 燕温泉 → 赤倉温泉

●美肌づくり(肌が弱い場合)

妙高温泉 → 池の平温泉 → 赤倉温泉 → 関温泉

●美肌づくり(肌が強い場合)

赤倉温泉 → 燕温泉 → 関温泉

●ストレス解消

妙高温泉→杉野沢温泉→池の平温泉→新赤倉温泉→関温泉→燕温泉→赤倉温泉

●傷の治癒(手術後の療養)

新赤倉温泉 → 関温泉 → 燕温泉 → 赤倉温泉

●呼吸器の強化

妙高温泉 → 池の平温泉 → 赤倉温泉 → 関温泉 → 燕温泉 → 杉野沢温泉(笹ヶ峰)

●冷え性の改善

杉野沢温泉 → 燕温泉 → 関温泉

●慢性疲労の改善

妙高温泉 → 池の平温泉 → 新赤倉温泉 → 関温泉 → 燕温泉 → 赤倉温泉


【症状別湯めぐりの基本】

●適応症に応じ、刺激の弱い温泉からはじめて、刺激の強い温泉へと移っていく。一方、刺激の強い泉質の後、刺激の弱い泉質で「仕上湯」をするのもOK。

●美肌づくりの場合は、「美肌の湯」の後に、「塩化物泉」で仕上湯を。

●温泉刺激の強さは、温泉の泉質とともに、源泉からの距離で決まる。源泉に近いほど鮮度が高く温泉分析書に近い温泉である一方、源泉から遠いほど「やわらかい温泉」になる。

●ストレス解消、呼吸器の改善、慢性疲労の改善などは標高差を加味して、標高の低いところから徐々に高いところへ移る


妙高高原温泉郷の各温泉地の特徴


新潟県妙高高原温泉郷には「妙高の七五三」というものがあります。

「7つの温泉地」「5つの泉質」「3つの湯色」です。

★7つの温泉地

赤倉温泉、新赤倉温泉、池の平温泉、妙高温泉、杉野沢温泉、燕温泉、関温泉

★5つの泉質

単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、硫黄泉

★3つの湯色

「透明」以外にも「赤」「白」「黒」の3色


赤倉温泉(透明)


池の平温泉(黒)


関温泉(赤)


燕温泉(白)

以下、妙高高原温泉郷の各温泉地の特徴です。

●赤倉温泉(標高800m)
 泉質:カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー硫酸塩・炭酸水素塩泉
    「硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」
 効能:泉質別適応症として・・・切り傷、火傷、慢性皮膚病、動脈硬化、(美肌づくり) など

●新赤倉温泉(標高700m)
泉質:カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー硫酸塩・炭酸水素塩泉
   「硫酸塩泉」「炭酸水素塩泉」
 効能:泉質別適応症として・・・切り傷、火傷、慢性皮膚病、動脈硬化、(美肌づくり) など

●池の平温泉(標高750m)
 泉質:単純温泉
    「単純温泉」
 効能:一般適応症として・・・神経痛、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、くじき、うちみ、痔、冷え性 など

●妙高温泉(標高550m)
 泉質:単純温泉
    「単純温泉」
 効能:一般適応症として・・・神経痛、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、くじき、うちみ、痔、冷え性 など

●杉野沢温泉(標高700m)
 泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウムー炭酸水素塩・塩化物泉
    「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」
 効能:泉質別適応症として・・・切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、(美肌づくり)など

●燕温泉(標高1,150m)
 泉質:含硫黄―カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉
    「硫黄泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「塩化物泉」
 効能:泉質別適応症として・・・肝臓病、高血圧症、切り傷、火傷、慢性皮膚病、動脈硬化、糖尿病、
(美肌づくり)                       など

●関温泉(標高900m)
 泉質:ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉
    「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」
 効能:泉質別適応症として・・・切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、(美肌づくり)など

※「効能」に記載されている「適応症」は、平成26年7月1日の改定以前のもの。