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第2章「不感温浴」

●不感温浴

Q29.体温に近い温度のお風呂は寒く感じるので長湯しない方がよい。
    答えは→×


体温に近い温度となる34℃〜37℃のお湯につかることを「不感温浴」と言います。

体温に近いために熱くも冷たくも感じず、エネルギーの消費も一番小さくなる温度です。
つまり、気分が悪くならない限りは思い切り長湯ができるのです。

前の項でお湯の温度が1℃上がるごとに5分入浴時間が長くできるということを書きましたが、この不感温浴の領域(不感温帯)になると急に長湯できるようになります。

温泉の場合は長湯するほど薬理効果は高まるので、温泉をあえて加温せず不感温帯で提供されていれば薬理成分が吸収されやすくなります。
ただし、体温に近い温度なので二酸化炭素泉、硫黄泉の中の硫化水素泉など血管拡張効果が高い泉質でなければあまり体は温まりません。

この不感温浴の効果を一番発揮するのが、二酸化炭素泉と放射能泉です。
二酸化炭素泉と放射能泉は空気に触れたり温めたりすると極端に成分が失われやすい泉質なので、必然的に源泉温度が低いものなのです。
これらの泉質が加温されて温かく感じる程度の温度で提供されたり循環したりすると、ほぼ効能成分は失われていると言ってもいいでしょう。

新潟県の栃尾又温泉は放射能泉ですが、加温をしていない源泉そのままの温泉が不感温帯で提供されています。
そのぬる湯に2〜3時間も入っているおじいちゃんやおばあちゃんがいるのが名物になっています。